045なLIFE LOG

横浜夫婦による少しゆるくて、少し真面目な雑記帳

村治姉弟ギターデュオ in 関内ホール

しばらくグルメネタや北海道ネタが続いたが、ちょうど12/26(日)に関内ホールでライブを観てきたので、少し趣向を変え音楽ネタを書いてみよう思う。

 

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私自身、普段はJ-POPや、洋楽のジャズ・ブルーズ・ロック・カントリーなどのポピュラーミージック / 大衆音楽を聞くことが多く、クラシック音楽を聴くことは皆無である。


一方、妻はクラシック音楽というか、ナイロンギターの音色が好みのようで、昔から小野リサ村治佳織のコンサートへ足を運んでいたらしい。

 

私とは少し違う音楽の好みを持つ妻の影響もあり、結婚してからはナイロンギターの音楽も聴くようになった。

 

実際、最後に関内ホールに来たのは2017年7月、二人で相談してチケットを取った小野リサのコンサートである。

 

再び感染拡大となれば、ライブ / コンサート / イベントなども自粛の動きになるであろう。

 

そうなる前に何か観ておきたいと思っていたので、妻からの誘われていた「村治佳織 & 村治奏一」のギターデュオ・コンサートは、願ってもない機会であった。

 

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クラシックギターのデュオ演奏を、「生」で見るのは初めてのことだった。

 

関内ホールの大きさ。

 

マイクなしのナイロンギター。

 

正直、どのようなコンサートになるのか想像がつかなかったが、コンサートが始まると私の目と耳が、色々なことを理解し始めた。

 

まず気がついたのは、ポピュラーミュージックのライブに比べて、観客が圧倒的に静かだ。

 

客席から発せられる音は拍手くらいのもので、みんな本当に静かに観て(聞いて)いる。

 

それから、弾き手の技術が圧倒的である。

 

弾く位置やタッチだけで、音色やダイナミクスを見事なまでに右手で表現している。

 

プロだから当たり前と言われるかもしれないが、ソリッドのエレクトリックギターやエレガットでは、あそこまで強弱を付けて弾くことは不可能ではないか?と思うほど、表情豊かなトーンが耳から入り、体へと浸透していく。

 

電気的に増幅された音と、本当の「生」の音は、どちらがいい悪いではなく、全くの別物であることを改めて知らされた想いがした。

 

曲と曲の合間に、弟の奏一さんが「デュオの時は、自分の音をあまり聴かず、相方の音ばかり聞いている。相手の出す音に集中し、その瞬間や次の展開をどう表現するか、という事ばかり考えている」と言っていたのが、とても印象的であった。

 

クラシックは譜面通りに弾くもので、即興演奏はないと思っている方も多いと思うが、「相手の出す音に反応する」というのは、間違いなく即興演奏の部類である。

 

そしてチームとして何かを作るときには、自分のことよりも相手のことを考えることが重要であることは、音楽においても同じであることを知らされた思いであった。

 

ジャズやブルースのセッションも、ソロのパートだけでなく、コンピング / 伴奏にまわったときに、どのように演奏しているかを聴き、それが曲をどのように色付けているかという視線で音楽を聴けば、今までと違った楽しみ方ができるのではないか。

 

普段聞かないジャンルの音楽を聴き、普段行かないジャンルのライブに行くことで、普段湧く事のない発想が湧いてきたり、色々な気づきを得ることができる、そう思えたコンサートであった。

 

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改装後の関内ホールは、内装だけでなく外装も変わり、とても綺麗であった。

 

またここでナイロンギターの温かく優しい音色を聞いてみたい、と思いながら馬車道を後にし、冷たく厳しい外気に顔をしかめながら、家路につく二人であった。